1] ツアイスの φ 60mm,F14

というレンズを知り合いの望遠鏡屋さんから譲ってもらいました(Carl Zeiss JENA, C-63/840というロゴが見えます)。

早速、ボーグの鏡筒 (80mm) と大型ヘリコイドを使うのを前提として詳しい設計図を書いて、前橋の至誠堂さんに製作を依頼して出来て来たのが右2番目の写真です(Vixenのフリップミラーが付いています)。

レンズセルの外径が69mm程ですので、80mmの鏡筒は太い筈ですが、焦点距離840mmということで、ご覧のようにひょろ長い外観となっています。先端部は黒ボール紙の円筒を巻き付けて、細長さが強調されないようにデザイン(?)しました。
レンズはアクロマートの2枚張り合わせのようです。覗くとびっくりするほど反射が少なく、まるでブラックホールに吸い込まれる (経験はありませんが) かのような、神秘的な感じがしてその魅力の虜になっています。

実際、見え具合は抜群で、私の目では色収差は殆んど気にならない程度です。焦点距離はR200Sとほとんど変わらないので、一眼レフによる直焦点では、約 0.8度ほどの写野となり、月や明るい天体の撮影には使えそうです。

赤道儀との接続部分は、あり合わせの木片です。
ボーグの直進ヘリコイドは、フリップミラーを介してカメラを装着すると、その重みでヘリコイドが動かなくなります。これは他の場合でも、良く経験される通りです。そこでやむを得ず、厚さ3mmのアルミ板を取り付けて、カメラの底の部分をカメラネジで半固定の状態とし、ヘリコイドを回転させるとカメラボディがするする動くようにしました。

すると案の定、鏡筒をどんな角度に傾けてもカメラとフリップミラーへの重力がうまくアルミ板で支えられて、、ヘリコイドがフェザータッチでスムースに回せるようになりました。おかげで、私の「ボーグヘリコイド恐怖症」は何んとか解消できたようです。


ついでと言うのも変ですが、このレンズに reducer を付けて見ました。ボーグの筒なのでボーグの reducer も考えたのですが、費用節減のために手持ちのC8用のセレストロン製(×0.63)を流用して見たのが左下の写真です。見違えるほど短い望遠鏡に早変わりしました。
この装置ではレンズハウスの部分だけはずして、Borg 76 ED のレンズと付け替えることにより互換性が得られました(下中央)。
手作り望遠鏡
2] 正立ファインダー

自作と言ってもまさかカメラレンズではありません;その横についているファインダーです。もともと必要があるかどうか疑問ですが、遊びで作ってあったものを取り付けて見ました。

(1)不要になった Vixen のファインダー(φ50mm)のレンズだけを取り出して、(2)ボール紙でレンズハウスを作り、(3)φ60mmのボーグの延長環2個(長さ10mmと40mm)にしっかりと固定しました(長さ10mmの延長管に付いている2本の止めネジでレンズハウスを締め付けてあります)。(4)40mmの方の止めネジを使って3mmのアルミ板にしっかり固定できました。(5)これにねじ込みアダプターを介して正立ミラーを取り付けて完成です。

カメラレンズと同様に正立であることと、アイピースを自由に交換できるというメリットがあります。
カメラレンズの固定台に取り付ける時に予め向きを調節しておけば実用性は充分です。カメラレンズの焦点距離は300mmですので、視界は充分なのですが、何分にもカメラファインダーの像が暗いので、矢張りこの専用ファインダーで対象とその周辺を確認できるのは気持ちが良いです。
サイトトップへ