F
E
E 赤経目盛盤です; 赤経軸に半固定されているので、赤道儀を回転させても赤経目盛盤は動きません。目標天体を導入後にこの目盛盤のゼロの位置を指針に合わせれば、あとは通常の既製赤道儀と同様にして他の天体の導入を容易にすることができます。

F 左Eの目盛盤を裏返したところです。自作の星座早見盤です。導入後にその天体の位置と指針を合わせ、次に導入したい天体と指針が合致するまで赤道儀を回転させ、赤緯方向を調節すれば目標天体が見つけ易くなる点では Eと同様です;ただし、こちらの方が使い勝手はよいです。EおよびF ともに最小目盛は10分です。

なお、いずれの目盛盤でも赤経目盛は左回転で
通常の場合と逆向きです; また Fでは市販の早見盤とは左右方向を逆にしてあり、初めはちょっと違和感ありですが慣れればOKです。

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観望用手動赤道儀の製作

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フォーク式赤道儀では、ドイツ式と異なり、鏡筒の脱着時に赤経軸が勝手に回転することはありません。しかしその代わりに、鏡筒の重みが赤経軸を強く圧迫するため、赤経軸を中心とした回転が苦しくなります。

市販のフォーク式赤道儀では、これを避けるために赤経軸の直径を数センチと太く強力にし、更にボールベアリングなども使用されているようですが、これではとても日曜大工程度の工作力ではムリです。そこで、
望遠鏡自体の重みをキャンセル(軽減)する目的で下図のようなウエイトを架台に取り付けてみました。

日頃、撮影抜きで手軽にちょっと観望という場合には赤道儀より経緯台の方を使いたくなります。
特に観望中に他の望遠鏡と見比べたいときなどは、赤道儀ではクランプフリーにするかモーターを一時停止する必要がありそうです。

一方、経緯台では気軽に鏡筒の交換が可能ですが、自動追尾装置がないのが普通なので観望を中断すると折角導入した天体が視野から大きく外れます。雲の切れ間を待っていたりすると、2軸を回転しても見つからず、また初めから導入し直すというのは結構不便です。

そこで手持ちの頑丈な経緯台(TA)を利用して手動赤道儀を組み立てて見ました。自動追尾はできませんが、一旦視野に入れた天体は、「方位(赤経)方向」だけを西の方に回転させるだけで容易に視野に入ってきます。

つまり、雲の様子をみたり、途中でテレビを見たりしても目標を見失う心配はほとんどありません。電源に気を使う必要もなく、のんびりと観望が楽しめます。

蛇足ですが、以下に独断と偏見による各種架台の評価をまとめて見ました。
撮影はせずに観望に限った場合には、自作赤道儀も捨てたものではないと思われます; 特に望遠鏡を何台か横に置いて見え味を比較する場合などにはウエイトに気を使う必要のない片持ちフォーク式赤道儀は実に快適です。
ウエイトの取り付け軸はほぼ赤緯軸の延長線上に一致するようにしてあります。このウエイトのお陰で赤経軸周りの回転は見違えるようにスムースとなります。

また、このウエイトは赤経軸への望遠鏡の重力を軽減するだけのものなので、ドイツ式と異なり、
望遠鏡の重みにより位置を上下させたり付け替えたりする必要はありません。
赤経、赤緯の両軸ともフリーストップで回転もスムースで、アームも出来るだけ長めにしたため天頂の観望もOKです。

フォーク式赤道儀が苦手とする北天方向もアームを出来るだけ長くしたので、カセグレンのC5程度までならOKです(アイピースを覗く位置は多少制限を受けてしまいますが)。

ただし、カセグレンや反射鏡のように太い筒を装着すると鏡筒の重心が横方向にずれ、赤経周りの回転が生じるため赤経クランプネジを中程度に締め付けておく必要があるのがドイツ式にはない欠点かも知れません。

まあ一長一短とは言え、総体的にはドイツ式より使い勝手は良好と思っています。
ほぼ完成です(左:塗装前、右:塗装後)
5月5日、さすが子供の日だけあって久しぶりに晴れたので、ベランダに持ち出しました; まず方位磁石 (偏差修正目盛付き) とレベラーを使ってだいたいの極軸合わせを行い、自作屈折(口径80mm、f=560mm)で一旦月を視野の中心に入れて (倍率30倍) 、30分放置。勿論、この倍率では赤経軸だけをわずかに西に回転させるだけでほぼ視野中心に対象が見えます。

次いで f 4 mm のアイピース(140倍)で土星を導入してしばらく満喫;30分後ではさすがに赤経軸回転だけでは視野中心というわけにはいきませんが、低倍率アイピースまたはファインダーの視野内には見えていますので赤緯軸を僅かに修正して再び美しい姿を満喫。

自作の赤道儀+望遠鏡で見る土星はまた格別の味がしました;ちなみにこの望遠鏡のレンズはスコープタウン製です;F7で格別長焦点ではありませんが、色収差は全くないと言えそうに感じました(自作のための贔屓目かなあ?)。

しかし困った?ことには、観望中に他の望遠鏡と取り替えて見え方を比較しようとする場合、現在の望遠鏡を外すとどうしてもウエイトに引きづられて赤経軸が回転してしまい、また初めから導入をし直さす必要がありました(これはドイツ式の宿命かも?) つまり望遠鏡とウエイトのバランスをとることはドイツ式赤道儀のメリットと同時に泣き所??でもありそうです。

そこで恐らくこのデメリット??の無いフォーク式赤道儀を作って試してみました。
両側に薄い木版を補強して、ほぼ完成です(未塗装ですが)。
所有する望遠鏡のうち最も重いC8を載せましたが、かなり滑らかな操作性が得られました。ただし、ウエイトは約3.5kgが必要です。
心配していたクランプの効き目ですが、これは案ずるより生むが易しというか、望遠鏡本体のバランスさえしっかり取れていれば回転軸に懸かる重力の影響が相殺されるためか、このような重い鏡筒を載せてもきちんと両軸ともクランプが効くことが分かりました。クランプを緩めておけば勿論両軸ともフリーストップの状態となります。
赤経クランプ
ネジ
赤緯クランプ
ネジ
C 鏡筒の台座部分です。赤経クランプ板と同様の円盤をアリミゾ台座に固定し、その下に目盛盤を取り付けてこれは下の木枠部分にしっかり固定します;望遠鏡を回すとクランプ板も周りますが、目盛盤は動きません。クランプ板の赤い目印の位置で回転角度が読み取れます(目盛の最小単位は1度です)。

D 全体を真横から見た写真です。赤緯軸と赤経軸はなるべく短くなるように、また各部のネジが干渉しないように注意しました。

@ Carton のTA経緯台を土台にしました。プレート板にタップを切りΦ8mmネジを堅く締め付けて固定します(これが赤経軸 となります。) 実際に使用する際はTA経緯台の微動装置を使って極軸あわせをします。

A 厚さ15ミリの円形木板の周囲にアルミ板を巻き付け両面テープで固定し、その上から中心にタップを切った小型の木製円盤をかぶせて力一杯締め付けて固定します。アルミ板を巻き付けた円盤は赤経軸のクランプ用ですので絶対に回転しないようにします。

B T字型に固定した頑丈な木版の下部に、アルミのコの字材を使ってウエイト軸となるΦ10mmの長いネジ棒を堅く固定し、全体を赤経軸に取り付けます。

以下編集中です。

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A
赤経クランプ板
@
赤経軸
B
架台の比較 (独断・偏見)

評価 既製品   自作赤道儀
 HF経緯台  GPD赤道儀  片持ちフォーク式 ドイツ式
 赤緯固定 → 追尾  不可能 → 困難 容易 → 自動追尾 可能 → 容易 可能 → 容易
 暗い天体の導入  困難  (自動導入) 赤経・赤緯環  赤経・赤緯環
 鏡筒の制限  長い鏡筒? OK 太い鏡筒? OK
 鏡筒の交換  OK ウエイト調整 OK ウエイト調整
 全天  OK  OK C5ならOK OK
 気軽さ (5点評価)    3
 総合評価 (観望時)    

B 片持ちフォーク式赤道儀

指針
赤経クランプ盤

A ドイツ式赤道儀

指針
赤緯クランプ盤

鬼目ナット

D
C
赤緯目盛
赤緯クランプ板